こんにちは。保育園栄養士のkahoです。
今回は、おいしくて安全な、醤油の選び方をお話します。
醤油を買う時、どんな基準で選んでいますか?
私の家族に聞いたら、こんな答えが返ってきました。
- 塩分が低いからうすくち醤油を買う
- 値段が安いやつ
- いっぱいお店に並んでいるやつ。メジャーなやつ
- プライベートブランド。なんか安いし、PB商品ならちゃんとしてる気がする
からだに良い醤油とは、いったいどんな醤油でしょうか?
今回は、「おいしくて安全な、醤油の選び方」のポイント3つをお話していきます。
【栄養士が解説!】おいしくて安全な、醤油の選び方の3つのポイント
醤油を選ぶときのポイント
1)原材料が「丸大豆・小麦・塩」のみで、国産100%
2)本醸造か、天然醸造と書いてあるもの
3)化学調味料やアルコールが入っていないもの
それぞれ、順番に解説していきます。
1)原材料が「丸大豆・小麦・塩」のみで、国産100%
醤油って、何から作られているかわかりますか?
醤油を作るのに必要なものは、大豆と、小麦と、塩、この3つです。
しかし、スーパーに行って醤油のパッケージを一つ一つ見てみてください。
おそらく、原材料が「大豆・小麦・塩」以外の食品添加物が入っている醤油がたくさんあります。
たとえば「ブドウ糖果糖液糖」「調味料(アミノ酸等)」「カラメル色素」とかですかね。
どうして、こういったものを入れるかというと、
できるだけ短期間で、大量に醤油を作るためです。
大豆と小麦と塩だけを使って、昔ながらの作り方で醤油を作ろうとすると、ものすごく時間がかかるんですよね。
蒸した丸大豆と、炒った小麦で麹を作り、
塩水と混ぜて桶に入れてもろみを作り、発酵、熟成させます。
まともに作ったら、1年以上はかかります。
時間をかけて作った醤油は、長期間発酵・熟成されることで生まれるうまみや、深い味わい、香りがあり、自然と色も濃くなりますが、
短期間で醤油を作ろうと思ったら、味や色を、食品添加物で補わないと、おいしい醤油に仕上がりません。
ただ、同じ見た目でも、食品添加物で無理やり醤油らしくしたものより、
原材料が「丸大豆・小麦・塩」のみで作られた醤油の方が明らかにおいしいので、パッケージを見て、選んでみてください。
丸大豆と脱脂加工大豆
ちなみに、醤油に使われる大豆は「丸大豆」「脱脂加工大豆」があります。
パッケージの原材料欄を見ると、「丸大豆」ではなく「脱脂加工大豆」と書かれたものがあるので、見てみてください。
脱脂加工大豆は、大豆から油分を取り除いた、大豆の「搾りかす」ですが、
数値上の旨味は多いみたいですね。最初からカスになっているので、丸大豆から醤油を作るより、手間もかかりません。
ただ、脱脂加工大豆は、作られる過程で「ヘキサン」と言う有機溶剤(薬品)が使われているので、
個人的には丸大豆で作られた醤油を選びたいところです。
丸大豆で醤油をつくると、長い時間熟成している間に、大豆の油が醤油の中に溶け込んでいき、
この油が、数値では測れない、まろやかな風味と深いコクを生み出るともいわれています。
大豆と小麦は国産100%
外国産の大豆や小麦は、遺伝子組み換えの可能性があって、
ポストハーベスト、という、収穫された後に大量にかけられる農薬の問題もあるので、
なるべく、大豆も小麦も国産100%を選びたいところですね。
※大豆(遺伝子組み換えでない)と書いてあっても、
今の法律では、5%までなら遺伝子組み換え食物が混じっていてもOKなことになってるので、完全に遺伝子組み換えではない、とは言いきれません。
醤油を選ぶときは、
原材料が「丸大豆・小麦・塩」のみで、国産100%のもの
これを意識してみてください。
私もスーパーに行って探してみましたが、そこまで高くない値段でも、ちゃんと
原材料が「丸大豆・小麦・塩」のみで、国産100%のもの
が、ありました。
(実際の商品を写真で紹介)
2)作り方が「本醸造」または「天然醸造」
醤油の作られ方は3つ。
「本醸造」「混合醸造」「混合」があります。
日本で生産されている醤油のおよそ8割は「本醸造」でつくられています。
(本醸造の画像)
本醸造:江戸時代から続く、シンプルな作りかた
混合醸造:醤油になる前の段階の「もろみ」にアミノ酸液を入れる
混合:絞った醤油にアミノ酸液を入れる
混合・混合醸造はアミノ酸液を加えていることが特徴で、
アミノ酸液を入れるタイミングが異なります。
もろみの段階でアミノ酸液を入れて一緒に熟成させたものが混合醸造で、
搾った醤油にアミノ酸液を加えたものが混合醤油です。
九州とか、北陸地方の甘い醤油は、
混合・混合醸造醤油であることが多いですかね。
関東地方では、ほとんど「本醸造」なので、
関東地方に住んでいれば、スーパーですぐに見つけることができると思います。
天然醸造の醤油
さっき「本醸造がおすすめ」と言いましたが、さらにこだわるなら天然醸造ですかね。
本醸造の中でも、丸大豆と小麦を原料にして、
発酵や熟成を人工的にすすめるための酵素や食品添加物を使わずに、
自然の状態で1年間じっくり置いて作ったものが「天然醸造」です。
(天然醸造の画像)
戦前は、醤油といえば「天然醸造しょうゆ」でした。
「天然醸造しょうゆ」は手間と時間がものすごくかかり、大量生産に向いていないため、
現在ではほとんど作られなくなり、日本では天然醸造の醤油は1%に満たないと言われています。
天然醸造になると、値段がグッと上がりますが、
どんな味がするのか、試してみるのもいいかもしれませんね。
ぜひ、「本醸造」か「天然醸造」と書かれたものを選んでください。
3)化学調味料が入っていないもの
さっき、本醸造がいいと言いましたが、
本醸造でも、原材料に化学調味料が入っているものがあるので、
これらが入っていないものを選んでください。
醤油のうまみのもとになる「アミノ酸」は、時間をかけて発酵させなくても、
大豆などのたんぱく質を、塩酸を使って分解すれば簡単に作ることができます。
醤油らしい風味は、食品添加物を入れればOK。
まず、グルタミン酸ナトリウムなどの化学調味料でうまみを出し、
サッカリンなどの甘味料や酸味料で味を調整、
増粘多糖類を数種類入れて、コクやとろみを出すこともあります。
醤油の黒い色はカラメル色素でつけて、
日持ちを良くするために、安息香酸などの保存料も入れます。
そして、香りづけのためには、本物の醤油を少し足します。
これで醤油風調味料が完成です。
でも、これ聞いててどうですかね?
こういうふうにして作られた醤油を食べたいと思いましたか?
同じくらいの値段でも、化学調味料が入っていない醤油もあるので、
せっかく買うなら、原材料に化学調味料がないものを選んだ方が、お得な気がしますよね。
原材料欄をチェックして、「調味料(アミノ酸等)」や「カラメル色素」など、自然界にはないような名前のものが入っていないか、
確認するようにしてみてください。
おまけ
- 減塩醤油を選ぶときの注意
- こいくち醤油とうすくち醤油は、うすくち醤油の方が塩分が低い?
減塩醤油を選ぶときの注意
減塩醤油は、味の薄さを補うために、化学調味料などの食品添加物が入っているものがあります。
あとは、塩分つまり塩を減らしているぶん、保存がきかないので、保存料やアルコールを追加していたりします。
健康のために減塩醤油を選んでも、食品添加物がたっぷり入った醤油だと、逆に健康を害することになりかねませんから、
原材料の欄をチェックしてから買うようにしてください。
どうしても塩分を控えたい場合は、再仕込み醤油などの塩分が少な目の醤油を選ぶといいと思いますね。
塩分は少な目だし、味が濃いので、少ない量でも満足できるというメリットもあります。
こいくち醤油とうすくち醤油は、うすくち醤油の方が塩分が低い?
ちなみに、こいくち醤油よりうすくち醤油の方が色が薄いので塩分が少なそうに見えますが、
うすくち醤油の方が塩分が高いです。
作るときに塩をたくさん入れて、発酵や熟成をおさえて短期間で作るためです。
「塩分を控えるために、うすくち醤油を買っている」というかたへ、この情報が届けば・・・と思います。
醤油の選び方のまとめ
醤油はこだわりだしたらきりがありませんし、
原料にもこだわり、昔ながらの製法で時間をかけて作られた醤油と、そうでない醤油の価格の差は大きいですが、
いい醤油は少ない量でもしっかり味がつくので、結果的に、調味料の節約にもなります。
いい調味料を選ぶと、料理も段違いにおいしくなりますよ。
値段がそこまで高くなくても、今回のポイント3つをクリアしている醤油も、普通のスーパーに売っているので、
ぜひ探してみてください。
醤油を買うとき、今回お話した3つのポイントを、ぜひ意識してみてくださいね。
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